同窓会賞を受賞して
同窓会賞を受賞して
昭和医科大学歯学部43回生
伊藤 優馬
この度は歯学部同窓会賞という大変名誉ある賞を賜り、誠にありがとうございます。このような光栄にあずかることができたのは決して私一人の力ではなく、日々熱意をもってご指導くださった先生方、共に学び高め合った友人たち、そして離れていても常に背中を押してくれた家族の存在があってこそだと感じております。皆様に心より感謝申し上げます。
昭和医科大学で過ごした6年間はただ学問を修める時間にとどまらず、自分自身と向き合い続ける日々でもありました。入学当初は歯科医師という職業に対して漠然としたイメージのみ持っていた私ですが、講義、実習、そして多くの人との出会いを通して、「なぜ自分はこの道を選んだのか」「どのような歯科医師になりたいのか」を考え続けてきました。
1年次の寮生活では初めての環境に戸惑いながらも、他学部の学生たちと協力しながら生活する中で、視野が広がり、人との関わり方について多くを学びました。医療に携わる者として、専門性だけでなく、人間性も磨かねばならないことを肌で感じたのは、この時期だったように思います。
学年が進むにつれ専門科目の難易度は増し、壁にぶつかることも少なくありませんでした。特に2年次から4年次まではコロナウイルスの影響により自宅での学習や部活動の中止を余儀なくされました。私は硬式テニス部に所属していたのですが、オールデンタル等の大会は全て中止となり、同級生との交流の場も少なかったように思います。しかしこのような大変な時期を経験したことは「医療従事者の存在の大きさや責任の重さ」について再認識する良い機会になりました。
5年次ではコロナによる規制が緩和され、対面講義や部活動が行われるようになりました。初めて対面で会う先生方が多く、対面講義の良さを実感したのを覚えています。臨床実習では、患者さん一人ひとりの背景に耳を傾け、その方にとって最善の治療を模索することの難しさと責任を痛感しました。同時に「誰かの人生を支える」という歯科医師の仕事に対する誇りも芽生えました。
6年次では国家試験に向けた取り組みを通じて、勉強そのものだけでなく、計画性や粘り強さ、そして周囲との協調の大切さを学びました。国試対策委員の一員として国家試験対策に尽力し、歴代最高の合格率を達成できたことは何にも代え難い思い出です。
現在は昭和医科大学歯科病院にて臨床研修を行っております。日々の診療の中で、教科書では学べなかった「患者さんとの信頼関係の築き方」や「判断力の重要性」を学び、歯科医師としての在り方を模索する毎日です。今後はより専門的な分野にも視野を広げながら、医療人として、人として、さらに成長していきたいと考えております。
最後に、本学での学びと出会いに心から感謝するとともに、今後も精進を重ね、昭和医科大学の卒業生として恥じぬ歯科医師を目指して邁進してまいります。引き続きのご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。